高血圧や動脈硬化に悩むことがない!?

加齢に伴い、血圧が上昇し、心臓病や糖尿病の危険リスクを増加しますが、パナマのカリブ海沖に住むクナインディアンには、このような健康問題が存在しません。心血管系疾患に対するココアとチョコレートの影響についてみてみましょう!

パナマ共和国のサンブラス諸島に住むクナインディアン(Kuna Indians)と呼ばれる人々は、加齢に伴う高血圧や動脈硬化に悩むことがありません。

ただし、パナマ市とその近郊に移住したクナインディアンは、加齢とともに血圧が上昇し、高血圧の有病率は西洋人に匹敵します。

実はこの差がクナインディアンの遺伝よりも、食生活、特にココアの摂取にあると、ハーバード大学医学部ノーマン·ホレンバーグ医師らが報告しました。

米国ハーバード大学医学部のココア(カカオ)とクナインディアン研究

ハーバード大学医学部放射線学教授ノーマン・ホレンバーグ(Norman Hollenberg)氏は、島民が食べるものや飲むものの研究をおこないました。

サンブラス諸島に住むクナインディアンは、平均して1日5杯、移住組クナインディアンの10倍の量、成分未調整のココア飲料を摂取しています。

また島に住むクナインディアンは、移住したインディアンと比較すると、塩分の消費量は同等、あるいはそれ以上で、BMI(Body Mass Index:体格指数)に有意差はありませんでした。

このことからクナインディアンが心血管系疾患の健康問題が存在しないのは、主な飲料としてココアを消費し、毎日5杯以上飲むからだと確信しています。

「研究から、脳への血流の低下は、アルツハイマー病を含む認知症、および脳卒中の両方の原因になっていることが示されている」と指摘しています。

数々の研究から、特定の種類のココアを大量に摂取することで、安価な方法でありながら、脳への血流を簡単に増加させることができ、危険な疾患リスクを減少させることができると指摘されています。

クナのココア

これまでの試験で、ココア4杯相当をわずか4日間続けるだけで、腕や指への血流が劇的に増加することがわかりました。

注意しないといけないのは、実験は天然のココアでおこなわれました。 消費者の嗜好に合わせて大規模な加工処理が施された市販商品のココアではありません。

天然のココアは、カカオ豆に含まれる抗酸化化合物(抗酸化物質)のフラバノールと呼ばれる成分が非常に豊富に含まれていることが明らかになっています。

一方で、スーパーの食品棚に並ぶ市販のココアでは、味と見かけを良くするため、カカオ豆の収穫後、さまざまな加工の過程でフラバノールの多くが取り除かれています。

フラバノールは、赤ワインやお茶に含まれる成分として世界の注目を集めており、このフラバノールが、部分的に、心臓病のリスクを低下させ、寿命を延長することに寄与していると考えられています。

フランスで、1,300人以上の高齢者でおこなわれた研究では、フラバノール(フラボノイド)が、認知症のリスクを減少させたことが分かりました。

オランダの研究では、55歳以上の高齢者、1,730人が追跡調査されました。結果は、脳への血流量の減少が認知症の発症に関与していることを示唆しています。

米国では、アルツハイマー病に急激に進行した高齢者は、特定の脳領域への血流量が問題になっていることが明らかになりました。血流量の減少や逆流が、血圧の上昇や、加齢に伴う認知損失を招くという興味深い可能性を提起しています。

ホレンバーグ氏は、50才以上の健康な人々に、フラバノールが豊富なココアを飲んでもらう実験をしました。 高齢の人々でも、健康な若い人々にテストした時と同じように、血流量の増加が見られました。

脳梗塞と、いわゆる血管性認知症は、脳への血流が制限されて引き起こされます。 ホレンバーグ氏は、フラバノールが豊富なココアを、自然とこれらの病気の治療薬として考えるようになりました。 脳卒中は、世界の主要な死亡原因であり、アルツハイマー病を含む認知症は、65歳以上の人々の10%を苦しめている病気です。

一酸化窒素の効果

別の大きな驚きは、研究室のテストで、クナのココアは、タバコの煙や自動車の排気ガス中に存在する一酸化窒素と呼ばれる悪名高い化合物を生成し、体を刺激することが明らかになったことです。

しかし、一酸化窒素には、良好な側面もあります。

「一酸化窒素は、体内の心臓、血管、脳、ペニス、肝臓、膵臓(すいぞう)、肺、眼、そして、おそらく他のすべての臓器で、動きの内部統制システムの一部であることが判明しました」 とハーバード大学医学部教授のトーマス・マイケル(Thomas Michel)氏は、述べています。

トーマス・マイケル氏は、一酸化窒素の驚くべき機能を解明した人物の一人です。 「一酸化窒素は、高血圧、動脈閉塞、うっ血性心不全、脳卒中、認知症、およびインポテンス(インポテンツ)のための新しい治療法につながる可能性のある汎用性の高いガスです」と述べています。

これを要約すると、一酸化窒素は、心臓、脳、および身体の他の臓器への血液および酸素の流量増加を可能にし、血管を弛緩させるはたらきがあるということです。 ホレンバーグ氏は、フラバノールが、遺伝子、または一酸化窒素をつくり出す遺伝子を活性化すると考えています。